薬局で、健康保険で薬を受け取ると、代金がかかりますが、
薬局や、その時々で値が違う気がする
―確かに違うことがあります
薬局での代金は、薬のひとつひとつの値段ではありません
―薬局では、医療用の薬を販売して収益を
上げることはありません。
薬は、ほぼ卸値でそのまま患者さんに販売しています。薬局が薬
の販売で収益を上げない様に工夫されているのです。
なぜでしょうか?それは、薬で収益が上がる仕組みは、かつて、
多くの薬害や、医療費の無駄遣いを生む一つの原因になった
からです。
薬は必要最小限で、最大の効果を上げることを期待し使用するも
のです。現在ではジェネリック(後発)薬品の使用を推奨して、
薬で健康保険料の無駄遣いを減らすことも進められています
「医療費の明細書」のコラムでも説明しましたが、薬局の請求金
額の元になるのは、目で見てわかる薬代と、物ではなくて相談料
や手間賃にあたる薬剤管理料になります。薬そのものの代金は、
その都度、薬の値段と数により大幅に変わってきますが、薬剤
管理料(薬学管理料)はほぼ一定です。
しかし、管理料は、営業時間の長さや、薬剤師の配置体制や、
薬局の規模や、備え付ける薬剤の種類によってかわってきます。
例として、平日の営業時間では、午後7時以降に薬を受け取ると
薬の代金が3割負担の人は150円、1割負担の人で40円程度高く
なります。(医院や病院でも午後6時以降は同じような加算が設
定されています)また、ジェネリク薬品を多く提供しているか
どうかで値段が変わることが現在はあります。
このように、薬の販売高によらない営業を行っていること、また、
医療用薬について宣伝したり、後発薬品を除いて銘柄を変更して
調剤することが禁止となっていることもあり、薬局でいただく
代金は正式には「健康保険の一部負担金」という名前の税金
の一部です。
この価格は「健康保険法」の中ですべて公定価格として厚生労働省
が決めています。2年に一度、価格の改定が行われますが
「診療報酬審議会」、「薬事審議会」などの厚生労働省の機関が
担当しています。
平成24年には、介護保険の価格とともに、医療費の価格の改定が行
われる予定です。
2011.01.07 (金)